エクシブ鳥羽別邸

デザインと監督

安井建築設計事務所

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石井建築事務所

ゲストルームインテリアデザイン

日建スペースデザイン

2016年3月に開業したエクシブ鳥羽別邸は、「浮殿(うきどの)」でのお食事は数百年前にタイムスリップしたような雰囲気を楽しめます。16世紀に千利休が考案した茶室「傘亭(からかさてい)」をモチーフとしたレストランは、リブ付き円天井、各テーブルを仕切る上品なパネル、滑らかな天然木が素敵です。水面とちょうど同じ高さに建てられているため、ホテル内の美しい池に浮いているような印象を与えます。

日本の古典建築を自然に溶け込ませるという組み合わせは、客室内装デザイナー鈴木信子(日建スペースデザイン)の美的感覚によるもので、彼女が手掛けた鳥羽別邸の客室インテリアは、伝統的な和式に敬意を表したものであふれています。低めの家具、ミニマムなライン、やわらかな照明、矩形の繰り返しなど、全てが郷愁を誘います。カラースキームは、深紅にゴールド、藍色にシルバー、からし色に赤銅色など、伝統的な日本の色彩にメタリックラッカーを組み合わせています。木枠に紙を貼った障子は、明りを通すと同時に、重構造の空間を作り出しています。

伝統を強調することは志摩半島にある小さな漁村の鳥羽にはふさわしいです。鳥羽の曲がりくねった石敷きの通りや小さな居酒屋、多数の神社は、何世紀も後戻りしたようです。地元の人が何世紀も営んできた、漁網の修理や潜水して貝や伊勢海老を手で取る光景を目にすることができます。

もちろん、鈴木氏のリゾートに関するビジョンは伝統的な保養をはるかに超えています。鈴木氏曰く、「完全に伝統的なものを建てるのではなく、伝統的な日本建築のエッセンスを取り込もうとしたのです」そのため、部屋にはドラマチックな背面照明、光沢のある黒い陶材面、木板のソファなど全て紛れもなくモダンなものが使われています。INAXのシャワートイレ「アステオ」を始めとするバスルームの備品もコンテンポラリーな味付けと最新技術で、静寂の中でリラックスするためのリゾートにおける快適さを最大限にしています。

鈴木 信子

日建スペースデザイン

鳥羽別邸のインテリアはかなり伝統的ですね。あの美的感覚は何からインスピレーションを得たのですか。

自分のデザインのプレゼンテーションをする3週間前まで、実際にどのようなものを提出したらいいのかまだわかりませんでしたので、京都へ行って日本文化に没頭しようと決めたのです。江戸時代のおもてなしの文化そのものも言える揚屋「角屋」を偶然見つけました。それぞれデザインの異なる小さな和室があり、非日常空間で客をもてなすというこのホテルの哲学にぴったりだと感じました。

それは面白い!出来上がりは非常にオープンで優雅ですね。

「庭屋一如」という言葉があり、庭と建物の調和がとれて一体にあるようなさまのことです。庭と部屋の奥深くがつながり、全体として一つになるように客室をデザインしました。レイアウトに「無」を取り入れることで、それが可能になりました。ドアがありません。家、具体的には日本の家屋のようで、しかもモダンな面もあるスペースを作ろうとしました。

それはバスルームのデザインも同じですか。

はい、同じ方法を使いました。実際、お風呂のお湯は温泉から直接入れられるので、外の景色と室内の温泉を同時に楽しむことができます。また、天井から椅子の高さまで全て低いデザインにしています。洋風建築に見られる背の高いものではなく、低くて平らなスペースを構築しました。

INAXのシャワートイレを選ばれましたが、それが最適だった理由な何ですか。

トイレに関しては、日本でのプロジェクトなら自動的に日本製のものを選びます。ここでも、普通のトイレではなくシャワートイレを使うのは標準となっています。

日本の製品を際立たせているものは何ですか。

基本的に、日本人は細部にまで非常にこだわります。例えば備品なら、私たちはボタンをどちら側に付けるかに気を配ります。何か安いものを使ったら、触るとわかります。それはお客様にとって良くありません。日本の製品なら、お客様が満足されることがいつもわかっています。

志摩半島に新しくできた鳥羽別邸リゾートのデザインは伝統的な和式に敬意を表したものであふれています。低めの家具、ミニマムなライン、やわらかな照明、矩形の繰り返しなど、全てが郷愁を誘う一方で、カラースキームは、伝統的な日本の色彩にメタリックラッカーを組み合わせています。

伝統的な日本建築のさまざまな解釈に応じて、多くのスイートのバスルームには、池や庭、散策路に直接面している床から天井まである窓が備わっています。イナックスのシャワートイレ「アステオ」を始めとするバスルームの備品もコンテンポラリーな味付けと最新技術で、静寂の中でリラックスるするためのリゾートにおける快適さを最大限にしています。